【日興コーディアル】上場維持論争

東証大証名証、日興コーデの上場を維持・改善報告書の提出要求という発表があり、いろいろな人が色々な意見を述べています。
東証の対応を批判する意見が多いようですが、公認会計士磯崎哲也さんのblog(isologue)で興味深い論争があり、私も意見を述べさせていただきたいと思います。

磯崎氏の以下のコメントをきっかけに、論争が始まっていますが、

直感的にこれは正しいと僕は思う。このblogや2chの反応にある通り「それじゃやったもん勝ち」という見方もある。しかし・・・であればそれは司法東証ではなく市場が彼らを退場させるくらいでないといけないのではないだろうか。現在の市場は(当然シティのTOBの話もあってだが)売買高はここ数日むしろ上がっていて株価自体もライブドアの時のように暴落しているわけでもない。その上今回は証券会社の起こした不祥事なわけだし、投資家は日興が信用に足りないと感じたら資金を日興から引き上げればよいのだ。

http://www.tez.com/blog/archives/000858.html

私は、磯崎氏の意見に賛成です。
論点は、以下のようなところかと思われますが、

論点1.組織的に粉飾を行い、悪質な会社は、上場廃止にすべきか(経営者を交代させて、再発防止の対応をとっていても上場廃止すべきか)
論点2.上場廃止は、会社(経営者)にとって制裁になるか、粉飾によって被害を受けている株主に更に被害を広げることになるのではないか
論点3.粉飾の金額・重要性によって、上場廃止の可否が左右されるべきではないか
論点4.日興コーディアル上場廃止にしないことによって、今後の粉飾決算に対し、対応が甘くなり、経営者に対する規律が働かなくなるのではないか
論点5.日興コーディアル上場廃止により、投資家が必要以上に上場廃止リスクを感じてしまうのではないか
論点6.ライブドア上場廃止は正しかったのか(何故、ライブドアは、上場廃止で、日興は維持なのか、不公平ではないか)

「いじめ」の構図のような、悪いやつは懲らしめなければならない式の論調に不安を覚えていました。
ライブドアの場合、取締役を降りたといえ、元々堀江元社長のキャラクターで商売をやっていたような企業であり、依然、堀江元社長は大株主でしたので、上場廃止が、再発防止策の実行性についてあの当時確信を持てない状況でしたし、悪質さも粉飾を利用してM&Aや資金調達に利用し、上場を悪用していたという事実がありました。
また、経営陣の保有株も多く、上場廃止が経営陣に対する制裁にもなったでしょう。
粉飾の金額も売り上げや利益に対する比率も大きく。ライブドアのときといっしょにしないほうがよいと思います。

ただ、「米シティ、日興TOB価格1700円に・上場維持で引き上げ」とニュースをみると、

では、なぜこのような結論になったのか?この背景には、外資に日興を安く買いたたかれるのが国益(それも権力の中枢に近い部分の)に反すると考えての「官民一体化の日興保護」ではないか?といわれています。

http://antisaibanin.arekao.jp/entry-0a3eb7e8e80a8842719bff074342a22c.html

というのも大きいかな、感じていたかもなと思ってしまいます。