【三井住友銀行】ATM利用手数料の無料化

三井住友銀行が、郵貯ATMの平日昼間の利用手数料を無料にするそうです。
http://www.smbc.co.jp/news/j600163_01.html

日経新聞は、「郵政公社は三井住友の6000台などメガバンクを大きく上回る日本最大のATM網を持つ。10月の民営化を控え、これまでメガバンクなどはライバル関係にある郵政とのATMの無料提携に慎重だった。三井住友の提携で他の銀行が追随する可能性がある。今後郵政と競争、協調の両方を探る動きが広がりそうだ。」とコメントしていますが、果たしてどうなんでしょうか?

三井住友銀行の目的としては、無料で利用できるATMが増やすことで、「三井住友銀行は、便利な銀行」と、いう印象を持ってもらうということがあると思います。
東京三菱UFJが、セブン銀行のATM利用を無料化しましたが、「ampm」にATMを設置する三井住友銀行としては、同じ戦略はとりにくく、では、郵貯JR東日本ということになったのでしょう。

銀行にとっては、手数料を無料にすることにより、今まで、お客さまからもらえていた利用手数料がもらえなくなることによる受入手数料の減少とともに、無料化することにより、1件あたりの提携コストがかかる郵貯JR東日本のATMの利用件数が増え、短期的には収益減の要因になると思われます。

ただし、従来のATM提携では、郵貯のATMの方が圧倒的に台数が多いにもかかわらず、立地は三井住友銀行等のATMの方が段違いにによいため、三井住友銀行のお客さまが郵貯のATMを使うよりも、郵貯のお客さまが三井住友銀行のATMを使うほうが圧倒的に多く、郵貯三井住友銀行に提携手数料を支払う構図になっていますので、郵貯のATMの利用が極端に増えるとは考えにくく、影響は限定てきでしょう。
一方、今後、三井住友銀行が不採算のATMを整理するにあたっては、あまり利用されていない自行のATMの近くに郵便局の支店があれば、廃止がやりやすくなる等のメリットはでてきます。

ところで、今回の三井住友銀行のATM手数料設定の変更が、三井住友が自らの判断で手数料を引き下げただけでなく、その裏に日経新聞が「日本郵政公社と提携」と報じているように、A.郵貯のお客さまに対しても三井住友銀行のATMの利用手数料を無料化する or B.郵貯がATMの利用手数料を無料化する三井住友銀行に対して提携手数料を引き下げる といった契約の変更があるのでしょうか?

提携銀行のお客さんが、平日昼間に郵貯ATMを利用した場合、郵貯のATMを利用した場合、その銀行は、郵貯に対して、11万円以下の場合、210円、11万円超の場合には、315円を郵政公社に支払う必要があります。(郵貯のお客さんが、提携銀行のATMを使った場合はその逆)、この手数料体系は、お客さまから「105円」をATM利用料として取るという前提で、お互い様だからということで決めた手数料ですので、一方的に無料にした場合には、セブン銀行はもちろん、東京三菱銀行が問題視した東京スター銀行の「ゼロバンク」よりも割高になりますので、郵貯側との契約に変更がないのであれば、割高な戦略見直しのような気がします。